1984年創業の長谷川家は、吉村家で研鑽を積んだ故長谷川店主が北久里浜に構えた家系黎明期の名店である。豚骨と鶏ガラを炊き上げた濃厚スープにキレのある醤油ダレを合わせ、酒井製麺の太縮れ麺を合わせる正統派の味わいが地元客の胃袋をつかんだ。餃子とビールで一献傾け、締めに海苔増しラーメンとライスを頬張るのが常連の定番。1997年に創業者が逝去後は妻・紀子と息子が味を守り、獣香と湯切りの音が昭和の空気を残す店内を彩った。三十余年にわたり家系文化を支えたが、設備老朽化と後継問題から2018年1月に惜しまれつつ幕を下ろした。
故・長谷川(名不詳) 吉村家で有料修行ののち1984年に長谷川家を創業