矢向の住宅街に溶け込むように佇む絶の味は擦り切れた看板が歴史を物語る家系ラーメン専門店だ 吉村家から続く系譜を思わせる豚骨醤油にたっぷり浮かぶ鶏油は六角家譲りの芳香を放ち一口ごとにコクが押し寄せる 麺箱に積まれた大橋製麺多摩の中太麺はつるりとした舌触りともちもち感でスープをしっかり絡める 味玉五十円ほうれん草五十円など財布に優しい価格設定も魅力で常連は思い思いにトッピングを重ねライスにチャーシューを巻いて頬張る カウンター八席の店内は年季が入りつつも店主の気さくな接客で温かく深夜一時まで灯りが消えない 遅い時間でもふらりと立ち寄れば芳醇な一杯が迎えてくれる矢向で長く愛され続ける存在である