黒王は2018年に川越市駅前で産声を上げた。店主は新中野武蔵家で腕を磨き、豚骨の旨味と醤油の切れを極限まで高めた一杯を求めて寸胴を炊き続ける。菅野製麺所製の中太麺は粘度あるスープをしっかりと持ち上げ、無料ライスに浸した海苔が背徳的な幸福感を誘う。6席のカウンターと座敷のこぢんまりとした空間には、常連の「今日も濃いめで!」の声が飛び交い、昼どきには学生やサラリーマンが列を成す。夜は仕事帰りの一杯を求める客で賑わい、厨房奥の兄弟店「麺処 次男房」と共に川越の“ラーメン二刀流”を形成。家系不毛と言われた埼玉で濃厚な渦を巻き起こし、今も黒王は丼に王道を刻み続けている。