2016年、同志社大学西門前に創業した麺家あくた川は、家系の王道である豚骨醤油スープに京都人好みのキレとまろやかさを両立させる一杯を掲げる。ゲンコツと背骨を二日炊き出す呼び戻し製法に国産鶏油を重ね、酒井製麺直送の中太麺が力強く絡む。常連は豆板醤とスープを白飯にかけ、のりで包む通な食べ方を楽しむ。帯制度や元気な掛け声など温かな接客も魅力で、学生から家族連れまで連日行列。常に味の進化を追求し、昆布や小松菜を合わせることで後味の軽さと栄養感を加えたスープは、関西の家系を語る上で欠かせない存在である。初代から派生した二代目・三代目・総代・七代目・麺家よし川など多彩な弟子店を育て、今や関西一円に“あくた川流”を広げる開拓者だ。店内はカウンター主体で活気に満ち、麺の硬さ・味の濃さ・脂の量を選べる注文スタイルが初心者にも親切。濃厚でありながら飲み干せる後味は、修業先・武蔵家直伝の技と店主の探求心の結晶といえる。
芥川英司 武蔵家中野本店で4年間修行ののち、京都・今出川に2016年初代麺家あくた川をオープン