福岡の豚骨王国にあって濃厚醤油豚骨で挑戦状を叩き付けたのが無邪気本店である。店主・新島康樹は家系名門「武蔵家」で腕を磨き、2012年に縁もゆかりもない七隈で開業。九州醤油の甘みと鶏油を効かせたスープは豚骨の厚みとキレのある醤油が同居し、地元製麺所と開発した力強い太麺がこれを受け止める。100円で食べ放題のライスにスープを染み込ませた海苔を巻けば幸福感は最高潮。昼どきには学生が列をなし、深夜まで続く営業は部活帰りや飲み帰りの胃袋を優しく包む。8年で複数店を構えるまで成長した背景には「福岡でも家系は通用する」という信念と、絶え間なく骨を入れ替える丹念な仕込みがある。既成概念に捉われず“本当に旨い一杯”を追求する姿勢が、多くの常連を生み出し続けている。