武蔵家新中野本店は1997年の創業以来、一日100キロ以上の豚骨を炊き継ぎ足す濃厚スープと酒井製麺の中太麺を武器に“腹を空かせた若者の聖地”として君臨してきた。ライス無料は創業当初からのサービスで、卓上の青かっぱや唐辛子醤油と合わせれば無限にかき込めると評判。店の前には深夜でも客足が途切れず、回転の良い客席から立ち上る豚骨の香りが食欲を誘う。ここで修行した職人たちは武道家や虎ノ穴など全国80店超を開き、“新中野武蔵家系”という一大勢力を築いた。創業者・菅沼薫の味と精神は総大将・三浦慶太に受け継がれ、今日も厨房では寸胴をかき混ぜる音が鳴り響く。クラシカルで力強い一杯は、誰もが“帰って来たくなる”家系の原点である。