松本市神田の住宅街に佇む「樂家」は、家系の源流・吉村家から六角家、吉田家と続く正統の味を引き継ぎつつ独自進化を遂げた一軒だ。寸胴から立ち上る豚骨の香りに醤油ダレを合わせた濃厚スープはキレがあり、存在感ある太麺との相性も抜群。トッピングは青梗菜が標準で、シャキッとした食感が口中をリセットし、最後まで飽きさせない。メニューは豚骨醤油と醤油の二本立てで、いずれもシンプルながら力強い味わい。店主が一人で仕込みから仕上げまでこなすため提供は丁寧で、客席にはどこか緊張感も漂うが、それもまた“本気の一杯”に向き合う真剣さゆえだ。昼時は駐車場待ちができるほどの人気ながら、午後のアイドルタイムにはゆったりと味わえる。ラーメン愛好家はもちろん、家系初心者にも薦めたい松本の隠れた名店である。