国道279号を北上すると、鮮やかな黄色の看板が目に飛び込んでくる。2006年、刻乃家から独立して誕生した『家系家 むつ店』は、吉村家譲りの骨太な味わいを求めて県内外のファンが集う聖地である。豚骨と鶏を炊き上げたスープに桃エキスを加え、旨味を重ねながら後味は驚くほど軽やか。中太縮れ麺が濃厚スープをしっかり絡め取り、卓上の生姜や豆板醤で味変すれば箸が止まらない。ライスはおかわり自由、丼をセルフで上げ下げする参加型スタイルも健在だ。広い駐車場にはトラックも列をなし、昼時には湯気と活気が渦巻く。常連は「遠征してでも食べたい一杯」と口をそろえ、初訪の旅人は黄色い看板にまた帰ってくると笑顔を残す。下北半島の寒風の中でも、熱々の一杯が心と体を温め続けている。